2008年12月12日金曜日

里山ビジネス

平成20年12月11日

集英社新書、里山ビジネス、玉村豊男

目次もろくに見ずに、タイトルだけで買ってしまった本。
タイトルからして、旅行会社とかのシンクタンクの人か、観光学の学者さんあたりが書いたのかな、
と思っていましたが、予想は外れ。
実際に、里山ビジネスを、(ビジネスという気負いもなく)やってしまった人、の体験談が
メインに記されていました。
玉村氏の成功の一番の要因は、自分のやりたいことを、地道にやった、ということだと思います。
単に田舎暮らしにあこがれて田舎で商売を始めた、わけではなく、
氏は交通も不便な所にワイナリーをオープンしたわけですが、
その10年も前から、自ら畑を耕しブドウを作っていたのでした。
素晴らしいと思います。

氏の記述の中で印象的だったのが、
「行政がイニシアティブを握ると、<中略>。多くの人が決定にかかわるため、
最大公約数の答しか出せない<以下略>」
という記述がありました。
これは、私が行政が手がける事業を委託される立場の仕事をしているので、
よくわかります。
具体例は示しませんが、玉村氏の記述と同様のことを、しばしば感じます。

後半部分は、「観光」のほどよい「あり方」についての示唆に富んだ記述もあり、
とても勉強になりました。

氏の事業が、
今後もほどよい規模で末永く続いてほしいな、と思います。
そして、ブームが少し下火になったころに、尋ねてみたいな、と思います。

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